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こんにちは、本物の筋膜リリースをお届けするカムナビです。
最近、TVで「筋膜リリース」が取り上げられることが多いと聞いています。
先週、珍しくTVを点けると、スマスマで最新キーワードの一つに「筋膜リリース」が取り上げられてました。
日本ではオステオパシーの認知度が低いのか、紹介している人自体に知識がないのかわかりませんが、「オステオパシー」のオの字も出てきません。ですが、「筋膜リリース」は元々は、というか今でもオステオパシーを代表するテクニックなのです。
最近は他にも巷で、「リンパドレナージ」、「クラニオセイクラル」などの言葉を聞く事がありますが、これらも本来はオステオパシーのテクニックです。やってる人、教えてる人がその事実を全然知らないことも多いようですね。
ロックをやるなら、ビートルズとかジミヘンとかの存在は知っておいてください、柔道とか合気道をやるなら、大東流合気柔術の存在くらいは知っておいてください、そしてリスペクトは払ってくださいよって少し思います。
十勝に住むなら依田勉三さんのことは知っててくださいねってところでしょうか?
ちなみに、カイロプラクティックという施術もオステオパシーから派生しています。
カイロやってる人で、逆だと教わっている人もいるらしいですが、これは大きな間違いです。カイロの創始者のD・D・パーマーはオステオパシーの創始者のA・T・スティルの学校に通って、スティルから教えを受けていました。
勿論、様々なテクニックがオステオパシーをルーツとして発展、研究されるのはよいことだと思います。
けれども、少し首をひねるようなこともあります。
つまり、オステオパシーは全体性を考慮する治療だということです。
オステオパシーでは、筋膜だけを整えるとか、リンパだけを流すとか、頭蓋仙骨だけを調整するという概念では治療はしないのです。
例えば、リンパが滞っている原因がどこかの靭帯の制限であるのなら、その靭帯を緩めておかないと、いくらさすってリンパを流しても効果が小さくなるということです。リンパドレナージする前に、クリティカルな筋膜や骨格を整えましょうってことです。
筋膜リリースについても、TVでは自分で実施する筋膜リリースを紹介していましたが、あれは単なる「筋膜ストレッチ」としか思えません。やって損はしないとは思いますが。
しかし、あれで筋膜リリースを名乗るなら、筋膜リリースの原理を全く知らないのかなーと勘ぐったりします。ま、「TV向けにセルフエクササイズを紹介してください」ってメディア側のリクエストに答えただけなのかも知れませんが。
筋膜の組成の大部分を占めるコラーゲンには、圧電特性という電気的な性質があったり、本来の状態に戻る形状記憶合金のような性質があって、微細な感覚を読み取れるオステオパスが微細な操作を加えて「リリース」するというのが筋膜リリースの本質です。セルフエクササイズではなかなか「リリース」しません。
また、私が思うに、筋膜リリースには施術者と患者の意識も大きく関わっていると思っています。今の科学技術で計測できる対象しか信じない人や、統計学至上主義の西洋医学では到底たどり着かない領域の原理があると思います。科学はまだまだ追いついてこないでしょう。ですので、意識を伴わない独りでやるセルフエクササイズは本質的ではないのです。
更に言うのであれば、意識のことを解明しない限り、AIが搭載された精細な作業のできる機械なんかでは、筋膜リリースは実現できないでしょう。医者の仕事の多くはAIで置き換わることが確定的ですが、オステオパスの仕事はAIでは置き換わりまえません。オステオパスの方々は安心してください。ただし、互いに技術はしっかり磨いていきましょう!!